OxCal > データの出力
Oxcalの出力ユーティリティでは,さまざまな形式で解析結果を出力できます。したがって,得られた出力データをOxCal以外のアプリケーションで編集することも可能です。
1データの較正では,OxCal解析モジュールではなく出力モジュールが直接年代較正を行っています。したがって,この場合にはプロジェクトマネージャと出力ユーティリティを切り替える必要がありません。出力ウィンドウは,OxCalサーバにログオンしたときに,最初に開くウィンドウです。左側のパネルには較正を必要とする放射性炭素年代を入力するためのダイアログ,右側には較正結果を出力するためのウィンドウが配置しています(プロジェクトマネージャ時には,入力データビュアー)。
1データの較正を行うときには,[Options]メニューから各種設定を行ってください。
1データ較正のダイアログは,[@]メニューアイテムを選択することで,いつでも呼び出すことができます。較正曲線を表示させるための[View curve]やプロジェクトマネージャを開くための[Projects...]もここからアクセスすることができます。
下のボタンをクリックすると,各メニューの簡単なヒントを表示することができます。
左側のメニューパネルの右角に配置してあります。
ファイルの取扱は,非常にシンプルです。サーバ版では,OxCalを立ち上げれば自動的に各アカウントのディレクトリへアクセスし,1データの較正ファイル(Quick.jsファイル)や入力ツールで作成した複雑な解析モデルのファイルもブラウズすることができます。またサーバ版で解析した結果を他のアプリケーションで編集するには,[File > Open]あるいは[File > Manage]から各ファイルを読み込みファイルを取得してください。
出力ユーティリティの[File]メニューから,OxCal利用環境に応じて,いくつかのファイル操作ができます。使用できる機能は以下のとおりです。
すべてのファイル操作を行うためには,SVGがサポートされているFirefoxかその他のMozilla系ブラウザを利用してください。インストールについてと以下のSVG形式ファイルの取り扱いを参照してください。
解析結果は以下の形式でそれぞれ表示することができます。
初期設定では,出力ウィンドウに較正年代の範囲とそのデータの検定結果(ベイズ分析を行った場合)をまとめた一覧表が表示されます。一覧表から,個々のデータ(表示したいデータ名をクリック)や,RAWデータ(表示したいデータ列にある ≡をクリック)へ直接移動することができます。
[Format > Show]メニューから,図表の調整が行えます。特に,cal BC/ADよりcal BPで結果を出力したい場合や,一覧表に表示するデータの順序を逆にしたい場合に有効です。
OxCalには,様々なプロット形式が用意されています。1データのプロットは一覧表から簡単にアクセスできます。その他のプロット形式は,出力ウィンドウのテーブルの上にあるドロップダウンリストからそれぞれ選択表示することができます。また,複数データのプロットでは,同系統の解析結果をそれぞれの形式(年代,期間あるいは変数)でまとめて表示できます。一覧表の各データ列にあるチェックボックスで選択したデータを,[View > Plot selected]から表示させてください。また,較正曲線と比較しながらプロットを表示したり(放射性炭素年代を扱った場合のみ),各測定試料の深度(x変数)に対する較正年代の出力も可能です。
出力ウィンドウには複数データの解析結果をナビゲートするコントローラキーを用意しています。
一番最初のページに戻る(あるいは,10ページ分戻る) | |
一つもどる | |
一つすすむ | |
一番最後のページにすすむ | |
一覧表に戻る |
プロットメニューから,解析の概要報告も行えます。
ステータスを表示すると,解析の進行状況を確認することができます。ここでは,終了した解析,現時点での収束状況,モデルに合致するMCMCパスの割合を見ることができます。
![]() |
Untitled | パス 48000 |
---|---|---|
実行 | ![]() ![]() |
|
収束 | ![]() ![]() |
|
Ok | ![]() ![]() |
|
MCMC |
ボタンをクリックすると,個々の解析結果とそれまでに計算した全出力ファイルを破棄することができます。MCMC解析を開始するのが困難な場合,エラーメッセージがこのウィンドウの下に赤字で表示されます。
解析が完全に終了すると,自動的に一覧表が表示されます。
モデルを変えて解析が行いたい場合,戻るボタンでプロジェクトマネージャへ戻ることができます。
出力結果のプロットを予め調節するには,プロット調整用のコマンドをモデルへ組み込んでください。関連するコマンドは,以下のように挙げられます。
ここで例示したコマンドの使用例は,以下の通りです。
Plot() { Label("Site I"); Axis(BC(600), BC(100)); R_Date("A", 2250, 20) { color="Red"; }; R_Date("B", 2200, 20) { color="Green"; }; Page( ); Label("Site II"); Axis(BC(1800), BC(1300)); R_Date("C", 3200, 20) { color="Blue"; }; R_Date("D", 3300, 20) { color="Magenta"; }; };
色調整コマンドは,htmlやsvgで定義される色を指定することができます。このコマンドは,個々の分布だけでなく放射性炭素較正データセットのラベルに対しても有効です。
解析後にも,表示したプロットの調整が可能です。全ての変更は[Format]を通して行います。プロットや一覧表の変更,調節は,3種類のダイアログにまとめられています。
スタイルとアジャストの変更には時間がかかる場合があるため(PCスペックとモデルの複雑さに依存します),プロットの自動更新は行いません。ダイアログのリロードボタンをクリックしてください(ブラウザの更新ボタンではあしませn)。
ここで設定した項目は,OxCalを立ち上げている間,記憶されるている場合があります。
[Format > Adjust]からだけでなく,プロット上に配置してある調整キーからも同様の操作が可能です。
ズーム | ![]() | プロットサイズの縮小は左矢印,右矢印は拡大を意味します;上下の矢印はページに対するプロット数を変更することができます。 | センター取り | ![]() | プロットの中心あわせ | 表示範囲 | ![]() | プロット期間のスケール調整 |
矢印のエッジ付近をクリックするとプロットが大きく変更され,アイコンの中心付近をクリックすると細かく変更できます。変更は,自動更新されます。更新速度は,PCスペック(Javascriptインタープリンターに依存)依存します。
プロットやモデル概要の表示は,解析モジュールではなくウェブブラウザでのSVG出力を行っています(サーバ版も同様:サーバ/SVG統合環境下では並行処理が行えないため)。したがって,出力結果の表示速度は,サーバへのアクセス速度ではなく,利用されているブラウザの性能に依存します。この点における現状の詳細はインストールについてを参照してください。
OxCalによって出力されるプロットの取り扱い方法は,使用するSVGビューアによって決まってきます。AdobeSVGビューアやSVG閲覧が可能なブラウザ(FirefoxやOpera)を使用してください。
SVGは,比較的新しい規格となります。SVGビューアの詳しい情報は,以下を参照してください。
現在のFirefoxでは,プロットのビットマップイメージを出力することができません。Operaでは“クリップボードへイメージをコピー”を行えばビットマップイメージ化が可能です。二つのブラウザでは,OxCalの[Frame > Save as]からSVGフォーマットのプロットを保存することができます。また,サーバ版の場合は,PDFとPNGフォーマットへの変換も可能です。SVGプロットは,インクスケープやAdobe illustratorを使用してプロットの編集ができます。また,Batik-tasterizerのようなユーティリティを使用すれば,サーバ版で採用されているような別のフォーマットで(PDFやPNGなど)で解析結果を出力できます。
インクスケープは,オープンソースのSVGエディタで,プロットの表示や編集をすることができます。
以下のユーティリティを使用して,svgファイルをラスタフォーマットに組み替えることもできます。
http://www.fileformat.info/convert/image/svg2raster.htm
アドビSVGビュアーで変換されたプロットを使用する場合,ビュアーの[Copy SVG] を使用してください([Save SVG]では,グラフィックスのスクリプトのみが保存されてしまいます !)。保存するプロット上で右クリック(Windows)あるいはctrlキーを押しながら右クリック(Mac OS X)することでコピーできます。コピーをすると,クリップボードに二通りのフォーマットでプロットが一時保存されます。ひとつは,プロットの元データであるSVGスクリプトのテキストフォームです。これはテキストファイルとしてペーストすることが可能で,svgとしても保存できます(Adobeイラストレターやその他のグラフィック系アプリケーションで編集することができます。出版品質)。また,ビットマップフォーマットでもペーストできます。この場合コピー時に出力していた解像度が保持されます。高解像度のビットマップフォーマットを必要とする場合は,画面上のプロットを拡大してからコピーしてください。画面上のプロットを拡大するには,[Format > Adjust > Zoom]から操作できます。SVGプロットはベクター画像のフォーマットで非常に高品質ですが,画像としては取り扱いに不便です。
1データの較正においても表示設定が行えます。これらのオプションは,[Options]にあります。表示設定の機能詳細については,データの入力を参照してください。
データメニューでは,複数データプロットのヘッダーに補足データを加えることができます。ダイアログにある3つの機能については以下の通りです。
δ18OとΔ14Cの補足データは予め用意されています。
データの定義では5つのメニューがあります。