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原理 - 加速器質量分析計による14C年代測定法 -

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原理

14C年代測定法は,木・炭・紙など,炭素を含む試料についての年代測定法です。炭素(元素記号:C)は,さらに細かく12C,13C,14Cの三種類に分類されますが,放射性同位体である14Cの含まれている割合は試料の古さによって変化します。古い試料ほど14Cの含有率が低いのです。この点を利用して,14C含有率を測定することによってその試料の古さ(年代)を求めるのが14C年代測定法です。試料は測定前にその種類ごとに適切な試料調製を行い,不純物を取り除き,試料固有の炭素だけを取り出したのち,加速器質量分析計にて炭素の同位体比を測定します。

木・炭・紙などのもとになる植物は,大気中から炭素を吸収して体内に固定しているため,生きている間は代謝によって炭素の同位体比は一定に保たれていますが,その植物が死んでしまうと放射性同位体の14Cは壊変するだけになってしまい,徐々に14Cの量が減っていきます。つまり古い時代の炭素ほど低い14C含有率を持っており,それを測定することによって14Cの半減期から試料の年代を求めることができます。ただし,天然に存在する大気中の炭素は,時代ごとに同位体比が変動しているため,年代の判っている古い木の年輪などの炭素同位体比から求められた14C年代-暦年代較正曲線を用いて,測定された14C年代を実際の暦年代に換算しています。

14C年代測定法の適用分野

14C年代測定法は,炭素を含む地球上のさまざまな試料に対して適用されており,その学問分野は地球科学から人文学にまで多岐に渡ります。例えば,以下のようなものが測定されています。

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